REVIEW

kaff 作曲家

緋惺さんの歌声との出会いは七年以上も前のことです。
一聴した段階で「幅がある」と思ったのを覚えています。

その時点で公開されていたライブラリの豊富さにも驚きましたし、
なにより歌声の色が限りなく透明に近く、歌わせたいと思える幅が広い。
メインボーカルを張ってもコーラスに回っても
欲しいラインは必ず超えてきてくれるという音源としての側面も安心感があります。

歌声の透明感と聞くと、ありがちな形容だと思ってしまいがちですが、
緋惺さんの場合はダイアモンドから水晶玉、星空の輝き、少しくすんだ原石まで
曲を作る側の歌声の磨き方で「色」というよりも「姿」を変えられる透明感です。
実際、多くの楽曲が動画投稿サイトに上がっていますが、使う側一人ひとりの特徴が反映されています。

個性を出そうと思わなくても、人それぞれに姿を変える歌声の玉手箱。
その魅力に取りつかれ、蓋を開けて多少年をとってしまっても……まあ神使の緋惺さんだし、しょうがないですよねぇ?